社説の読み比べ
主要9紙——朝日・毎日・読売・産経・東京・日経・しんぶん赤旗・聖教・公明——の社説を毎日読み、並べたときにだけ見えることを書きます。一紙ずつの要約はしません。同じ出来事から各紙がどこへ歩き出すか、その分かれ目だけを追います。引用は当日の社説からで、出典は各記事の末尾にあります。
-
個人情報の流出、三紙は先に動く相手で分かれた——米国の圧力、プルデンシャル生命も読み比べ|社説読み比べ 2026年10月14日(水)
個人情報の流出を、読売・東京・公明の社説はどう書いたか。三紙とも読者にもパスワードの使い回しをやめよと書き、先に動くべき相手は、政府、企業の仕組み、企業と政府の後押しと分かれた。米国の圧力(グリーンランド・ウクライナ・ICC)、プルデンシャル生命の不正、浜岡原発訴訟も、主要9紙の
-
止める役が、働かなかった——プルデンシャル、東武の事故、北大のアカハラ|社説読み比べ 2026年10月11日(日)
三つの出来事を、朝日・産経・毎日が取り上げた。生命保険、鉄道の作業現場、大学と場所は違うが、三紙とも止める役の人や仕組みが働かなかったことを書いた。米国のICCへの制裁では、読売と日経がそろって各国の連帯を求めた。この日の一本は東京「週のはじめに考える マンションも老いゆく」。
-
戦火を前に、手がかりはどこに——ガザ、平和賞、長編詩「母」|社説読み比べ 2026年10月10日(土)
戦火の絶えない時代を、日経・朝日・聖教が取り上げた。日経は米国の働きかけに、朝日は法の裁きに、聖教は目の前の一人を守る心に、手がかりを求めた。消費税減税では、読売と産経が財源をどこで工面するかを、公明が10兆円を何に使うかを問うた。この日の一本は東京「残業規制見直し 長時間労働の
-
答えを書いた二紙、問いを書いた産経——代表質問と化学賞の二日目|社説読み比べ 2026年10月9日(金)
首相の所信表明への代表質問を三紙が書いた。朝日と読売は財源や支援金を示さなかった首相の答弁を書き、産経は中国への認識を示さなかった各党の質問を書いた。ノーベル化学賞は二日目に朝日・毎日・東京が書き、三紙とも同じ言葉を引いて、応用の扱いで分かれた。この日の一本は東京「スマホ遠隔解析
-
読売と赤旗が同じ根に行き着いた——簗農相の発言と、ノーベル賞のあとの心配|社説読み比べ 2026年10月8日(木)
簗農相の予算削減発言を読売・東京・赤旗が書き、聖教・公明を除く七紙すべてがそろった。国交省の調査結果を、東京は問い合わせそれ自体が働きかけだと読み、赤旗は否定に根拠がないと読み、読売は減らした理由の説明を求めた。根を自民党の体質に見たのは読売と赤旗である。ノーベル賞を書いた四紙は
-
働きかけの否定で幕を引かせない——簗農相の発言と沖縄の米兵事件|社説読み比べ 2026年10月7日(水)
簗農相の予算削減発言を朝日・毎日・日経が書いた(10月3日の産経、6日の東京と合わせて五紙)。簗氏も国交省も働きかけを否定したが、二つの自治体の予算は減っていた。毎日は否定が本当でも問題だと書き、日経は発想そのものを問い、朝日は否定に根拠を求めた。沖縄の米兵事件では、朝日・産経・
-
同じ「心配には及ばない」、欠けたものは五通り——首相の所信表明を六紙が読む|社説読み比べ 2026年10月6日(火)
臨時国会で高市首相が所信表明演説を行い、六紙が書いた。消費税減税の財源をめぐる「心配には及ばない」を五紙が引き、根拠がないと書いた。欠けていると数えたものは、国会への説明、二年後の約束、皇位継承策、外交の全体像、暮らしと五つに分かれた。国会の時間の使い方では産経と東京が逆の側に立
-
同じ「3倍」、逆向きの読み——アジア大会を東京は手がかりに、日経は見通しの甘さに|社説読み比べ 2026年10月5日(月)
閉幕したアジア大会を東京と日経が書いた。経費が当初想定の3倍以上に膨らむ見通しを二紙そろって挙げながら、東京は「簡素」な運営の裏表として次の大会の手がかりを読み、日経は準備の不足と見た。読売のカスハラと聖教の「世界教師デー」は、相手からの要求ですり減る働き手を、決まりと信頼の両側
-
同じ減税、逆向きの批判——東京は借金の側から、赤旗は暮らしの側から|社説読み比べ 2026年10月4日(日)
東京と赤旗が、政府の飲食料品の消費減税に触れた。東京は財源の見えない支出の一つとして数え、赤旗は2年限りで食料品だけの減税として退けた。向きは逆でも、二紙はいまの政策のつけが後から国民に回ることを見ていた。日経と産経は「新型軍国主義」という同じ言葉を別々に読んだ。この日の一本は毎
-
米中間選挙を何で測るか——朝日は暮らしで、毎日は世界で|社説読み比べ 2026年10月3日(土)
朝日と毎日が、1カ月後に迫った米国の中間選挙を書いた。挙げたトランプ氏の手立ては同じだったが、朝日は暮らしが良くなったかを問い、毎日は世界の秩序を壊した責任も問えと書いた。首相の国連演説を、赤旗は米国に言わなかったことで、読売は中国に言ったことで読んだ。この日の一本は東京「データ
-
円安の根はどこに——毎日は首相の口先介入から、読売は日銀短観から、同じ場所にたどり着いた|社説読み比べ 2026年10月2日(金)
毎日と読売が、円安の根を同じ場所に見た。毎日は首相の口先介入から、読売は日銀短観から書き、二紙とも、市場が政府の政策を信じていないことに円安の原因を見た。同じ短観を書いた日経は、そこには触れなかった。この日の一本は東京「核ごみ調査容認 住民の理解は後回しか」。
-
同じ訪中に変化の兆し——朝日は王毅外相の注文の言葉に、東京は岩屋氏への厚遇に読んだ|社説読み比べ 2026年10月1日(木)
朝日と東京が、岩屋毅前外相の訪中を書いた。二紙とも中国側の変化の兆しを読んだが、読んだ場所が違った。朝日は王毅外相の注文の言葉に「撤回せよ」からの変化を読み、東京は岩屋氏への厚遇に関係改善のサインを読みつつ、同じ注文を高市政権批判が変わっていないしるしとして引いた。この日の一本は
-
制度の線を三紙が書いた——読売と日経は線の手前に寄るものを、朝日はまだ引かれていない線を問うた|社説読み比べ 2026年9月30日(水)
読売(ビール類の酒税の一本化)、日経(パートの厚生年金の適用拡大)、朝日(消費減税とセットの就業者負担軽減支援金)の三紙が、制度の線を書いた。読売は商品が、日経は働き手が、線の手前に寄ることを書き、朝日は誰に配るかの線がまだ引かれていないことを問うた。読売は「公平・中立・簡素」を
-
確かめる仕組みを三紙が書いた——朝日は地位協定を、赤旗は規制委を問い、日経は報道の締め出しを戒めた|社説読み比べ 2026年9月29日(火)
朝日(沖縄の米軍基地のPFAS)、赤旗(浜岡原発の基準地震動の捏造)、日経(米政権による報道機関の締め出し)の三紙が、確かめる仕組みを書いた。朝日は立ち入り調査を米側の受け入れに委ねる地位協定の限界を、赤旗は不正を見抜けなかった規制委を問い、日経は政府の問題をただす報道が締め出さ
-
秘密と安全保障を理由に伏せ、外す——読売・日経は理由を認めて行き過ぎを戒め、朝日は理由を認めなかった|社説読み比べ 2026年9月28日(月)
読売(民事裁判の証拠の公開制限)、日経(学術会議の会員要件)、朝日(米政権による報道機関の取材排除)が、秘密や安全保障を理由に伏せる・外す動きを別々の題材で書いた。読売と日経は理由をいったん認めて行き過ぎを戒め、朝日は理由そのものを認めなかった。男女の平等は三紙が書き、打つ手を、
-
子育て支援の並び方に、毎日は「困っている子に厚く」、日経は「お金より社会を」|社説読み比べ 2026年9月27日(日)
毎日・日経・読売の三紙が、家族と子どもへの国の手当てを別々の題材で書いた。毎日と日経はどちらも近年の子育て施策の並び方に注文を付け、毎日は困っている子どもに手を厚くせよ、日経は働き方と社会を変えよと書いた。読売は年金3号の縮小に、共働きでない家族の声を忘れるなと書いた。前日に米中
-
同じ米中首脳会談、産経は言葉を見て「避けられた」と書き、朝日と日経は止まった武器売却を見た|社説読み比べ 2026年9月26日(土)
六紙がそろって米中首脳会談を書いた。習氏が求めた台湾独立への「反対」について、産経は会談で交わされた言葉から危うい妥協は避けられたと書き、朝日・東京・日経は議会の承認後も保留されている武器売却を書いた。AIでは、読売・産経・東京が米中二国の対話と仕組みを求め、日経と毎日は二国だけ
-
同じ国連演説、前日の三紙は「示した」と書き、この日の二紙は「足りぬ」と書いた|社説読み比べ 2026年9月25日(金)
毎日と東京が高市首相の国連演説とICCを書いた。首相が会談後に語った「率直なやりとり」を、前日の読売と日経は首相がしたこととして書き、この日の二紙は中身が見えないこととして書いた。もう一つ、読売と産経が台風25号を書き、読売は夜の避難の難しさを、産経は夜の前に逃げよと書いた。この
-
同じ日米首脳会談、ICCの宛先が三つに分かれた|社説読み比べ 2026年9月24日(木)
読売・産経・日経の三紙が高市首相とトランプ大統領の会談を書き、首相が国連演説でICCへの支持を示したことをそろって書いた。その先で、読売は米国に説き続けよ、日経は欧州など同志国と打開策を、産経は話し合いを促せと三つに分かれた。もう一つ、朝日(ミンダナオ和平)と赤旗(TAC50年)
-
同じ中国の輸出を、朝日は弱さから、東京は強さから読んだ|社説読み比べ 2026年9月23日(水)
朝日(中国の不動産)と東京(「電気国家」中国)が同じ日に中国の経済を書いた。二紙とも中国の輸出への批判に触れたが、朝日は国内消費の弱さから、東京は市場の大きさと開発の速さから説明し、朝日は中国政府に、東京は日本に向けて書いた。もう一つ、朝日(広報予算10倍)と赤旗(皇族への中傷対
-
国が情報を集める権限に、朝日は「急ぐな」、産経は「急げ」、赤旗は「やめよ」と書いた|社説読み比べ 2026年9月22日(火)
朝日(警察のスマホ遠隔解析)・産経(サイバー攻撃拠点の特定)・赤旗(陸自の思想調査)の三紙が、国が人の情報に手を伸ばすことを書いた。朝日は立法を急ぐなと、産経は施行を急げと、赤旗は収集をやめよと書いた。もう一つ、東京と日経が米国の求めにそのまま従うなと高市政権に書き、東京は前日の
-
敬老の日に三紙は高齢者に「元気で」と書き、赤旗は政府に「負担を増やすな」と書いた|社説読み比べ 2026年9月21日(月)
敬老の日を読売・産経・赤旗・公明の四紙が書いた。読売は健康寿命、産経は働く高齢者とAI、公明は低栄養の対策——三紙は高齢者の側が元気でいることを求め、赤旗だけが制度の側(負担増)に向けて書いた。もう一つ、朝日・毎日・東京の三紙が米国を混乱の起点と書き、その米国に何を言えるかが「閉
-
朝日と赤旗が同じ骨組みを書き、「語れ」と「止めよ」に分かれた|社説読み比べ 2026年9月20日(日)
七紙11本に同じ出来事を書いた紙は無い。それでも並べると、立場が最も遠い朝日と赤旗が、米国が国際ルールを踏みにじり日本政府が抗わないという同じ骨組みを書いていた。朝日は国連演説で「語れ」、赤旗は輸入解禁の手続きを「止めよ」。読売と日経は制度が生んだ商売(障害者雇用ビジネスと民泊)
-
同じ「圧力に屈するな」が、正反対の二方向に向けて書かれた|社説読み比べ 2026年9月19日(土)
日銀の追加利上げを六紙が書き、六紙とも政治の圧力に左右されるなと書いた。だが五紙が案じたのは米国の「上げろ」で、朝日が戒めたのは日本政府とトランプ氏の「上げるな」だった。読売・東京・日経は、日銀に「自らの判断だった」と説明するよう求めた。アジア大会では、産経と毎日が五輪との距離で
-
続投ばかりの人事で変わった二つは、どちらも国会の役職だった|社説読み比べ 2026年9月18日(金)
第2次高市改造内閣を六紙が書き、六紙とも「来秋の総裁選での再選をにらんだ布陣」と読んだ。変わった数少ない役職のうち二つが国会を扱う役職で、批判した三紙は「首相の国会出席は憲法上の義務だ」と原理で、政権寄りの二紙は「参院の数は人事では変わらない」と実務で書いた。朝日は別稿で、減税の
-
紅海まで危うくなり、三紙とも力で開ける道を書かなかった|社説読み比べ 2026年9月17日(木)
ホルムズ海峡の代替路だった紅海の航路が脅かされたことを毎日・読売・日経が書き、三紙とも軍事でこじ開ける道は書かなかった。十一日前に読売が数えた弾薬の残量が、この日そのまま判断になっている。税制改正大綱には毎日と赤旗が加わり七紙に。
-
税制大綱に五紙がそろって同じ注文、その先で割れた|社説読み比べ 2026年9月16日(水)
消費税減税の税制大綱を朝日・読売・産経・東京・日経の五紙が書き、五紙とも財源が示されていないことを問題にした。そろったのは注文の一点だけで、減税そのものへの立場は割れたまま。浜岡原発には毎日が一日遅れて加わった。
-
沖縄知事選と浜岡原発の不正を、6紙と5紙が同じ日に|社説読み比べ 2026年9月15日(火)
沖縄県知事選を6紙、浜岡原発の不正を5紙が同じ日に書いた。同じ当選を「転換」と読むか「苦渋」と読むか、同じ「再稼働が遠のいた」を損失と数えるか引き返す理由と数えるか。分かれ目を並べて読む。
-
社説読み比べ、13日間の見取り図——8月31日から9月12日まで
主要9紙の社説を13日間読み比べて見えたこと。主題は一日で終わらず、各紙は互いを読んで書き継ぐ。同じ材料から別の場所へ歩き出す分かれ目を、13日分一枚に畳んだ。